科学的な解析を行う際によく誤差に関する用語が出でくることがあります。
たとえば、誤差の種類として絶対誤差や相対誤差などがあるわけですが、これらの定義や意味の違いについて理解していますか。
ここでは、絶対誤差と相対誤差の意味や求め方について解説していきます。
絶対誤差の意味と求め方【理論値との関係性】
まず絶対誤差とは言葉の通り絶対的な誤差のことを意味し、絶対誤差=実際の数値−理論値という計算式で求めることが可能です。
つまり、絶対値は数値の差そのものであるために、数字の後にm、kg、などの単位をつけて表すのが基本です。
なお、絶対誤差の計算の扱いに慣れるためにも以下で練習問題をといていきましょう。
絶対誤差の計算問題
それでは早速例題を確認していきます。
・問題
体重が50kgぴったりの男性が少し値がおかしく表示される体重に乗ると51kgでした。この場合の絶対誤差はいくらになるのでしょうか。
・解答
上の絶対誤差の定義式を元に算出していきます。
実際の数値から理論値を引けばいいので、51-50=1kgが絶対誤差と求めることができるのです。
なお、逆に49kgの人が50kgと表示されたとしても、基本的−1kgと記載することは少なく正の数値で表します。
相対誤差の意味や絶対誤差との違いと関係
続いて絶対誤差と似ている用語の相対誤差の定義についても確認していきます。
まず、相対誤差とは言葉の通り相対的な誤差のことを指し、相対誤差=(実際の数値−理論値)/理論値という計算式で求めることができるのです。
なお、先にものべた絶対誤差を用いると相対誤差=絶対誤差/理論値でも計算可能となります。
つまり、理論値と絶対誤差の相対的な指標であることから、相対誤差といわれているわけです。
相対誤差の計算問題を解いてみよう【絶対誤差との換算】
なお、相対誤差の扱いに慣れるためにも実際に練習問題も解いていきましょう。
・問題
先ほどと同様に、体重が50kgぴったりの男性が少し値がおかしく表示される体重に乗ると51kgでした。この場合の相対誤差はいくらになるのでしょうか。
・解答
上の相対誤差の定義式を元に算出していきます。
相対誤差=(51-50)/50=0.02=2パーセントと計算することができました。
なお、相対誤差の分子が絶対誤差であるため、この計算式は絶対誤差と相対誤差の換算式ともいえます。
絶対誤差と相対誤差の違いと使い分け
また、絶対誤差の大小だけでは、そのずれの度合いがどの程度なのか判断がつかないケースがあります。たとえば、先にものべたような50キロの体重の方の1キロ分と絶対誤差と、20キロの体重の方の1キロ分ではその重みが大きく違うわけです。
相対誤差のような比率表示で表しておくと、前者は2パーセント、後者は5パーセントとなり、後者のずれの度合いの方が大きいと判断できるようになるのです。
このような理由から絶対誤差と相対誤差を上手に使い分け必要があるといえます。
まとめ
ここでは、絶対誤差と相対誤差の意味や違い、各々の計算方法について解説しました。
絶対誤差=(実際の数値−理論値)で表現でき、数値の後に単位をつけるものです。
一方で、相対誤差=(実際の数値−理論値)/理論値で表す比率の一種といえます。よって単位はなしかパーセントなどの百分率の単位で記載するといえます。
絶対誤差と相対誤差の違いや使い分けを上手に行い、より効率的な数値処理を行っていきましょう。
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