科学的な解析を行う際に、よく専門的な用語が出てくることが多くあります。
例えば、めっき・防食関連の技術として「トタンとブリキ」がありますが、この意味や違いについて理解していますか。
ここでは、トタンとブリキの違いについて錆びやすさ等の観点から解説していきます。
トタンとブリキの違いは?【鉄のめっき方法】
まず、トタンもブリキも錆びやすい物質である「鉄」の耐食性向上(錆びにくさを上げる)のためめっきの方法のことを指します。
そして、トタンとは鉄に亜鉛(Zn)のめっきを行ったものを指し、ブリキは鉄にスズ(Sn)のめっきを実施したものを示しています。
つまり、トタンとブリキの違いとしては、鉄の上にめっきをする材質の違いがあるわけで、以下のようにイメージしておくといいです。
トタンとブリキの違いの覚え方のコツ
このように、鉄に対するめっきの種類の違いがあるわけですが、覚え方としては私なりのコツがあります。
語呂合わせというより音の響きとして「あえん」と「とたん」が似ていると思いませんか。
私は類似していると感じるため、トタン=亜鉛めっきを鉄に対して施したものとイメージする覚え方をおすすめします。そして、もう一方のブリキ=亜鉛でない方=スズめっきを施したものといえるわけです。
トタンとブリキの錆びやすさと化学反応式
なお、トタンもブリキも錆びやすい鉄が錆びるのを抑制させる方法といえますが、その仕組みにも違いがあります。
具体的には、イオン化傾向(イオンになりやすさ)が関係しています。
亜鉛のイオン化傾向は鉄よりも大きいため、亜鉛の方がイオンになりやすいわけです。そのため、トタンに傷がつき、そこんい水分などが付着し、腐食が進行したとしても亜鉛の方が優先的にイオンになり、素地の鉄自体は劣化しなくなるのです。
ただ、傷がついていない状態では、亜鉛の方が鉄よりも錆びやすいため、亜鉛自体の劣化は進む傾向となります。
一方で、ブリキは表面がスズであり、鉄よりもイオン化傾向が強い材料です。そのため、傷がついていないような状況であれば、錆びにくいスズによって、鉄を守ってくれる力を高められるわけです。
ただ、一旦傷がついた状況では、鉄の方がスズよりもイオン化傾向が高まるために、鉄がより錆びやすくなるというデメリットもあります。
このように、トタンとブリキでは、状況によって錆びやすさは変化し、それに応じて進む化学反応式も変わることを理解しておくといいのです。
まとめ
ここでは、トタンとブリキの違いや覚え方、錆びやすさ・化学反応式について解説しました。
トタンは鉄に亜鉛メッキをしたものを指し、ブリキは鉄にスズめっきを行ったものを指します。
覚え方としては、あえんとトタンの響きが似ていることに着目するといいです。また、錆びやすさは状況に応じて変化します。
さまざまな科学の知識を身に着け、毎日の生活を楽しんでいきましょう。
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