光合成の化学反応式は?仕組み、化学式や実験・とは・中2・問題もわかりやすく解説!(気体・高校・色・中学)
植物が光を受けて育つ光合成は、中学校理科から高校生物まで何度も登場する重要なしくみです。
しかし、反応式を暗記しても、なぜ二酸化炭素と水から養分ができるのかを説明するのは難しいかもしれません。
光合成では気体の出入り、葉の色、光の強さなど、観察や実験と結び付けて理解することが大切です。
この記事では、化学反応式の意味、葉の中で起こる変化、実験の考え方、問題で迷いやすい点を順番に解説します。
光合成の化学反応式と基本のしくみ
それではまず光合成の化学反応式と基本のしくみについて解説していきます。
二酸化炭素と水からつくられる養分
光合成の化学反応式は、二酸化炭素と水から光のエネルギーを使ってブドウ糖と酸素をつくる変化を表したものです。
一般的には、二酸化炭素6分子と水6分子が反応して、ブドウ糖1分子と酸素6分子ができる形で示します。
6CO₂ + 6H₂O → C₆H₁₂O₆ + 6O₂
CO₂は二酸化炭素、H₂Oは水、C₆H₁₂O₆はブドウ糖、O₂は酸素を表します。
二酸化炭素と酸素の量はmolで表すと、それぞれ6 molです。
矢印の上には、光と葉緑体を書くことが多く、反応に必要な条件を示しています。
二酸化炭素は空気中から主に葉の気孔を通って入り、水は根から吸収されて道管を通り葉へ運ばれます。
ブドウ糖は植物がすぐに呼吸で使うほか、でんぷんとして蓄えたり、成長の材料にしたりします。
たとえば、昼に日光を受けた葉ででんぷんが検出されるのは、つくられたブドウ糖の一部がでんぷんに変えられるためです。反応式の生成物だけを見て、葉にブドウ糖だけがたまると考えないようにしましょう。
酸素は光合成の結果として外へ出され、気孔を通して空気中へ移動します。
反応式は物質の出入りを表す図であり、光が物質そのものに変わるという意味ではありません。
光は、二酸化炭素と水を別の物質へ変えるためのエネルギーとして利用されます。
養分として反応式に書かれる代表がブドウ糖です。
葉緑体と葉緑素による光の利用
光合成の中心となる場所は、植物の細胞にある葉緑体です。
葉緑体の中には葉緑素という緑色の色素があり、太陽光のエネルギーを受け取る役割を担っています。
葉が緑に見えるのは、葉緑素が緑色の光を比較的多く反射し、赤色や青紫色の光をよく吸収するためです。
そのため、葉の色は見た目だけの特徴ではなく、光を利用するしくみと深く関係しています。
光を受けた葉緑素は、そのエネルギーを利用して水から電子を取り出す反応に関わります。高校では、この過程を明反応と呼ぶことがあります。
その後、二酸化炭素を材料にして有機物をつくる反応が進みます。
中学校では細かな反応段階まで覚える必要はありませんが、葉緑体で光の力が使われると押さえれば十分です。
日陰に長く置かれた植物が弱りやすいのは、光合成による養分づくりが進みにくくなるからです。水や肥料があっても、光がまったくなければ光合成は行えません。
一方で、光が強すぎれば常に光合成量が増え続けるわけではありません。
二酸化炭素の濃度、温度、水分量など別の条件が限界になるためです。
葉緑体は光を受ける場所、葉緑素は光を受け取る色素として区別すると理解しやすいでしょう。
光合成と呼吸の物質変化
光合成は養分をつくる変化であり、呼吸は養分を分解して生命活動のエネルギーを取り出す変化です。
光合成と呼吸は、二酸化炭素と酸素の出入りが反対に見えるため、セットで問われることが多い内容です。
呼吸では、ブドウ糖などの養分と酸素を使い、二酸化炭素と水を生じながらエネルギーを取り出します。
C₆H₁₂O₆ + 6O₂ → 6CO₂ + 6H₂O + エネルギー
酸素と二酸化炭素はmolで見ると、基本的に6 molずつ対応します。
呼吸は明るい時間だけでなく、昼夜を通して行われます。
植物は昼間、光合成と呼吸を同時に行っています。
昼に酸素が外へ出るように見えるのは、多くの場合、光合成で生じる酸素の量が呼吸で使う酸素の量を上回るからです。
夜は光がないので光合成は進まず、呼吸だけが続きます。そのため、夜の植物は酸素を取り入れ、二酸化炭素を出します。
水草を明るい場所に置くと気泡が見える実験では、光合成で出た酸素が水中にたまり、泡になって現れます。
ただし、泡の数だけで正確な酸素量を断定するのは適切ではありません。
気体の変化を考える問題では、二つの働きの差として観察結果を読むことがポイントです。
光合成に必要な条件と気体の出入り
続いては光合成に必要な条件と気体の出入りを確認していきます。
光と二酸化炭素と水の条件
光合成に必要な主な条件は、光、二酸化炭素、水、そして葉緑体です。
どれか一つでも欠けると、通常の光合成は十分に進みません。
光は反応を進めるエネルギーを与え、二酸化炭素は炭素を含む養分の材料になります。
水は根から吸収されるだけでなく、反応の材料としても使われます。
葉に黒い紙をかぶせる実験では、光を遮った部分ででんぷんができにくくなります。これは、二酸化炭素や水があっても光がなければ十分な光合成が起こらないことを確かめる方法です。
二酸化炭素を除く実験では、二酸化炭素を吸収する薬品を使い、条件をそろえた葉のでんぷんの有無を比べます。
植物に水を与える目的を、葉がしおれないようにするためだけと考えるのは不十分です。
水は細胞の状態を保つほか、光合成の原料にもなっています。
温度も反応の進み方に影響しますが、極端な高温や低温では酵素の働きが弱まり、光合成量が下がることがあります。
実験では、確かめたい条件以外をできるだけ同じにすることが重要です。
気孔を通る二酸化炭素と酸素
葉の表面にある気孔は、二酸化炭素や酸素、水蒸気が出入りする小さな開き口です。
気孔は葉の裏側に多い植物が多く、顕微鏡観察では孔辺細胞に囲まれたすき間として見えます。
二酸化炭素は気孔から葉の内部へ入り、葉肉細胞の葉緑体で利用されます。
光合成でできた酸素の一部は呼吸に使われ、余った分は気孔を通って外へ出ます。
また、水蒸気も気孔から出ていき、この現象を蒸散と呼びます。
蒸散が起こると、根から吸い上げられた水が植物全体へ運ばれやすくなります。光合成と蒸散は別の現象ですが、葉と水の移動を通して関わり合っています。
晴れた日に葉の近くの湿度が高くなることがあるのは、水蒸気が出ているためです。
気孔が開いていれば、二酸化炭素だけが一方通行で入るわけではありません。
気体は濃度差に応じて移動するため、光合成と呼吸のどちらが優勢かで、観察される正味の出入りが変わります。
気孔は光合成の入口であると同時に、蒸散による水の出口でもあります。
明るさによる気体量の変化
明るさが増すと、ある範囲では光合成の速度が上がり、二酸化炭素の吸収量や酸素の放出量も増えます。
ただし、光を強くし続けても無限に増えるわけではありません。
二酸化炭素の量や温度などが制限になると、光合成量は頭打ちになります。
| 明るさの状態 | 光合成 | 呼吸 | 正味の気体変化 |
|---|---|---|---|
| 暗い場所 | ほとんど進まない | 進む | 酸素が減り、二酸化炭素が増える |
| 弱い光 | 少し進む | 進む | 変化が小さい |
| 適度な光 | よく進む | 進む | 酸素が増え、二酸化炭素が減る |
| 非常に強い光 | 条件により頭打ち | 進む | 他の条件に左右される |
光合成量と呼吸量がちょうど等しくなる明るさを、補償点と呼びます。
補償点では、光合成も呼吸も起きていますが、外から見ると酸素や二酸化炭素の量にほとんど変化がありません。
この状態を、光合成が止まっていると誤解しないように注意しましょう。
たとえば、密閉容器内の植物で二酸化炭素濃度が変わらない場合、二つの働きがつり合っている可能性があります。
中学理科で行う光合成の実験
続いては中学理科で行う光合成の実験を確認していきます。
ヨウ素液によるでんぷんの確認
葉にでんぷんができたかは、ヨウ素液を使って青紫色から青黒色への変化で確かめます。
でんぷんは光合成でつくられたブドウ糖が変化して蓄えられたものなので、光合成の結果を調べる目印になります。
実験の前には、植物を暗い場所に一晩置くことがあります。
これは、葉にもともと蓄えられていたでんぷんをできるだけ使わせ、実験中にできたでんぷんを調べやすくするためです。
暗所に置いた植物の葉の一部を黒い紙で覆います。
日光に当てた後、葉を湯で加熱して細胞の働きを止めます。
次にエタノールで葉緑素を取り除き、湯でやわらかくしてからヨウ素液を加えます。
光が当たった緑色の部分が青紫色から青黒色になれば、でんぷんがあると判断します。
エタノールで葉を脱色するのは、緑色のままではヨウ素液による色の変化を見分けにくいためです。
エタノールは燃えやすいので、直火で加熱せず、湯せんで扱います。
黒い紙で覆った部分が変化しにくい結果になれば、光がでんぷんづくりに必要だと考えられます。
葉の白い部分がある斑入りの葉を使う実験では、緑色の部分だけで反応が見られやすくなります。これは、葉緑体と葉緑素の必要性を確かめる手がかりです。
色の変化を見る実験では、比較する葉の部分以外の条件をそろえることが結論の信頼性につながります。
オオカナダモと気泡の観察
オオカナダモなどの水草を水に入れ、明るい場所に置くと、切り口から気泡が出ることがあります。
この気泡は、光合成で生じた酸素を観察するために利用されます。
水槽の水に二酸化炭素が少ないときは、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて二酸化炭素を補う場合があります。
気泡が多く出たからといって、必ず光合成だけの影響と決め付けることはできません。
水温、光源との距離、水草の量、切り口の状態も、気泡の数に影響するからです。
同じ水草を使い、光源との距離だけを変えると、光の強さと気泡数の関係を比べやすくなります。
光源に近づけすぎると水温まで変わるため、光の条件だけを調べる実験にはなりにくいでしょう。必要に応じて水温を測り、同程度に保つ工夫が必要です。
集めた気体に火のついていない線香を入れ、線香が再び燃え出せば、酸素が含まれることを確かめられます。
水草の気泡は、光合成によって発生した酸素を目で見える形にした観察例です。
変える条件は一つに絞ると、結果の理由を説明しやすくなります。
実験結果を読むための対照条件
科学の実験では、調べたい条件を変えたものと、変えないものを比べる考え方が基本です。
光合成の実験で黒い紙を使う場合、紙をかけた部分と光が当たる部分の比較が対照になります。
二酸化炭素の必要性を調べるなら、二酸化炭素を除いた容器と通常の空気がある容器を比べます。
| 調べる条件 | 変える内容 | そろえる主な条件 | 確認する結果 |
|---|---|---|---|
| 光の必要性 | 光を当てる部分、遮る部分 | 葉、水、時間、温度 | でんぷんの有無 |
| 葉緑体の必要性 | 緑色の部分、白色の部分 | 光、葉の状態、時間 | ヨウ素液の色の変化 |
| 二酸化炭素の必要性 | 二酸化炭素の有無 | 光、水、植物の量、時間 | でんぷんの有無 |
| 光の強さ | 光源との距離 | 水草、水温、観察時間 | 気泡の数 |
対照がないと、結果の違いが本当に光や二酸化炭素によるものか判断できません。
たとえば、別々の大きさの葉を比べると、光の当たり方だけでなく葉の面積の違いまで結果に影響します。
実験問題では、何を一定にし、何を一つだけ変えたかを文章から探すと考えやすくなります。
結果が予想と違ったときも、すぐに失敗と決めず、温度や植物の健康状態などの条件を確認しましょう。
中二と高校で押さえる化学式と問題
続いては中二と高校で押さえる化学式と問題を確認していきます。
化学式の係数と原子数の確認
化学反応式では、矢印の左右で元素の種類と原子の数がそろっている必要があります。
光合成の式で係数6が付くのは、炭素、水素、酸素の数を左右で一致させるためです。
左側の二酸化炭素6分子には炭素原子が6個あり、右側のブドウ糖1分子にも炭素原子が6個あります。
水6分子には水素原子が12個あり、ブドウ糖の水素原子12個と対応します。
酸素原子は左側で二酸化炭素から12個、水から6個の合計18個です。右側ではブドウ糖に6個、酸素6分子に12個あり、同じ18個になります。
| 元素 | 反応前の原子数 | 反応後の原子数 | 確認の考え方 |
|---|---|---|---|
| 炭素 | 6個 | 6個 | 二酸化炭素とブドウ糖 |
| 水素 | 12個 | 12個 | 水とブドウ糖 |
| 酸素 | 18個 | 18個 | 二酸化炭素、水、ブドウ糖、酸素 |
化学反応では原子そのものが消えたり新たに生まれたりせず、結び付き方が変化します。
中二では化学式の細かな係数計算を扱わない場合もありますが、式の左右で物質が変わるという見方は高校内容につながります。
係数と化学式の右下の数字は役割が異なります。
たとえば6CO₂の6は二酸化炭素分子の数を表し、CO₂の2は一つの分子に含まれる酸素原子の数を表します。
出題されやすい気体と色の知識
光合成に関する問題では、発生する気体、使われる気体、指示薬の色の変化がよく問われます。
光合成で外へ出やすい気体は酸素であり、酸素には火のついていない線香を再び燃え出させる性質があります。
二酸化炭素は石灰水を白くにごらせる性質で確認できます。
BTB溶液は二酸化炭素が多く水溶液が酸性寄りになると黄色、中性付近では緑色、アルカリ性寄りでは青色を示します。
| 観察対象 | 代表的な確かめ方 | 主な変化 | 問題での注意点 |
|---|---|---|---|
| 酸素 | 火のついていない線香 | 線香が再び燃え出す | 可燃性ではなく助燃性 |
| 二酸化炭素 | 石灰水 | 白くにごる | 量が非常に多い場合の変化は別途扱う |
| 二酸化炭素量の増減 | BTB溶液 | 多いと黄色寄り、少ないと青色寄り | 初めの色と比較する |
| でんぷん | ヨウ素液 | 青紫色から青黒色 | 脱色後に観察する |
BTB溶液の色は、光合成そのものを直接見ているのではなく、水に溶けた二酸化炭素量の変化を示しています。
明るい場所で植物を入れたBTB溶液が青色寄りになるなら、二酸化炭素が減ったと考えられます。
反対に暗い場所で黄色寄りになるなら、呼吸で二酸化炭素が増えた可能性を考えます。
色だけを暗記せず、二酸化炭素が水に溶けると酸性寄りになる流れを理解すると応用問題にも対応しやすくなります。
問題文から条件を整理する方法
光合成の問題では、問いに出てくる条件を材料、環境、観察結果に分けると整理できます。
材料には二酸化炭素、水、葉緑体があり、環境には光、温度、時間が含まれます。
観察結果には気泡の数、でんぷんの有無、BTB溶液の色、気体の体積変化などがあります。
たとえば、植物を暗所に置いたときに酸素が減る問題なら、光合成が起こらず呼吸だけが続くことを使います。
明るい場所で二酸化炭素が減った場合は、光合成量が呼吸量を上回ったと考えます。
問題文に密閉容器とあれば、外の空気との出入りがないことも重要な条件です。
光があるかを確認します。
光合成と呼吸のどちらが起こるかを考えます。
二酸化炭素と酸素の増減を矢印で書き出します。
指示薬の色や実験結果に結び付けます。
昼は光合成だけ、夜は呼吸だけと単純化しすぎないことが、正確な判断につながります。
昼は呼吸も続いているため、気体の変化は二つの働きの差として説明します。
選択肢問題では、光合成の材料と生成物を入れ替えた文がよくあるため、反応式の向きを思い出して確認しましょう。
光合成の化学反応式と実験のまとめ
光合成の化学反応式は、二酸化炭素と水を材料にして、光のエネルギーを利用し、ブドウ糖と酸素をつくる変化を表します。
反応の中心となるのは葉緑体で、葉緑素が光を受け取ります。
二酸化炭素は気孔から入り、水は根から吸収されて葉へ運ばれます。
昼の植物では光合成と呼吸が同時に進むため、気体の増減は二つの働きの差として考えることが大切です。
ヨウ素液によるでんぷんの検出、オオカナダモの気泡、BTB溶液の色は、それぞれ異なる角度から光合成を確かめる実験です。
実験では、調べる条件を一つだけ変え、ほかの条件をそろえた対照を用意します。
化学反応式では、左右の原子数がそろうことも確認しましょう。
反応式、気体の出入り、実験結果を一つの流れとして結び付けると、光合成の問題を落ち着いて解けるようになります。
身近な植物を観察するときにも、葉の色や光の当たり方から光合成の働きを考えてみてください。


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