科学的な解析を行う際に、単位変換(換算)が必要となるケースが多いです。
例えば、熱の温まりにくさを表す指標の一つである比熱の単位として「J/(g・K)」「J/(g・℃)」が、モル比熱の単位として「J/(mol・℃)」「cal/(mol・℃)」などを扱うことがありますが、これらをどのように換算するのか理解していますか。
ここでは比熱とモル比熱の違いや、各種比熱に関係する単位変換(換算)方法について解説していきます。
比熱の単位の換算方法【Kと℃の単位変換(J/(g・K)」「J/(g・℃)」)】
まず、比熱の単位として代表的なものとして(J/(g・K)」「J/(g・℃)」)というものがあります。
これらは、比熱の定義が対象の物質1gを1℃もしくは1Kを上げるために必要なエネルギー(何Jか)を表していることから説明できます。
このとき、1℃=1Kという単位換算ができることから、これら比熱の単位は1J/(g・K)=1J/(g・℃)と求めることができるのです。
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比熱の単位変換の計算問題を解いてみよう【Kと℃】
それでは、Kと℃の部分の変化がある場合の比熱の単位換算に慣れるためにも練習問題を解いていきましょう。
・例題1
ある物質の比熱は1.2J/(g・K)でした。このKを℃に変えるといくらと求められるのでしょうか。
・解答1
上の定義式を元に比熱の単位の変換をしていきましょう。
数値は同じで単位のみが異なるために、1.2J/(g・K)=1.2J/(g・℃)と計算できるのです。
molを含む場合の比熱の単位の変換(換算)方法は?モル比熱と比熱の違いと換算
なお、上述のよう比熱の単位としては分母にgやkgを含むことが基本ですが、中でもJ/(mol・℃)やcal/(mol・℃)などとモル基準で考えるケースがあります。
このように、モル数(物質量)をベースにするときの比熱のことをモル比熱と呼び、区別することが多いです。
これが比熱とモル比熱の違いなわけですが、これらの単位変換を行うときには基本的にはモル質量(g/mol)を活用していきます。
つまり、A J/(g・K)× Bg/mol=CJ/mol・Kと単位換算できます。
逆に、J/mol・Kから、J/(g・K)に直したいのであれば, A J/(g・K)=CJ/mol・K ÷Bg/molと求めることができるのです。
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モル比熱と比熱の単位換算(変換)の計算問題を解いてみよう【比熱の単位にmolを含む】
なお、molを含む比熱(モル比熱)と比熱の単位換算に慣れるためにも計算問題を解いていきましょう。
・例題2
ある水の比熱は約4.2J/(g・K)です。これを分母にmolを含んだJ/(mol・K)というモル比熱に換算するといくらになるでしょうか。
・解答2
上の比熱とモル比熱の単位変換式を参考にし、計算していきます。
ここで、水のモル質量が18g/molであることを考慮すると、4.2 × 18 = 75.6 J/(mol・K)と計算できました。
なお、cal/(mol・K)に換算するのであれば、1cal=約4.2Jも考慮していくといいです。
まとめ 比熱の単位換算(変換)方法は?モル比熱との違いと変換方法も解説【Kと℃とmolなどの計算】
ここでは、比熱とモル比熱の違いや比熱の単位変換方法(Kや℃やmolを含むもの)について確認しました。
・1K=1℃と同じ
・Kや℃とmolを含む比熱とモル比熱の換算を行うには、モル質量(g/mol)を活用する
・他にもcalやJとの単位変換なども考慮していく
といいです。
比熱やモル比熱の違いや単位換算に慣れ、業務等に役立てていきましょう。
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