科学的な解析を行う際に、よく専門的な用語が出てくることがあります。
そしてこれらの科学用語の意味を理解していないと各対処ができないケースが多くなるため、きちんと学んでおくといいです。
例えば、材料力学に関係する用語として強度、剛性、靭性などが挙げられますが、この意味や違いは何か理解していますか。
ここでは、これら強度、剛性、靭性の定義や違いについて解説していきます。
強度と剛性と靭性の違いと意味
まずは、強度の意味について確認していきます。
強度とはある荷重(外力)をかけた際にその材料が完全に破断する際の荷重の大きさを指します。
以下のようなイメージです。
なお、基本的には「引張強度」「圧縮強度」「曲げ強度」「座屈強度」などと強度の前に荷重のかけ方の名称がつき、強度の種類が区別されます。
剛性とは?強度との違い?【意味】
一方で、よく似た用語として剛性という言葉がありますが、実は強度とは明確な違いがあります。
剛性とは「変形の起きにくさ」を表した指標であり、破断の発生時の力で規定されているものではありません。
例えば、身近な材料であるゴムとプラスチックを考えてみましょう。
このとき各材料にある曲げの力(曲げ応力)をかけたとき、プラスチックは破断しましたとします。ただ、ゴムは変形しただけで破壊はされていないです。
このような状況では、このゴムはプラスチックよりも強度は高いといえるのです。
一方で、プラスチックが破損しないレベルの力をかけている状況も考えてみます。
このとき、ゴムの方が大きく変形し、プラスチックは全く変形しないような状況となるわけです。
このことをゴムの方が剛性低く、プラスチックの方が剛性が高いと表現できるのです。
これが、強度と剛性の違いです。
靭性と剛性と強度の違い
さらに似た言葉として「靭性」と呼ばれるものもあります。
この靭性とは、材料の「粘り強さ」を表した数値といえます。難しい言葉では脆性破壊(元に戻らない破壊)が起こるときの荷重に対応します。
言い換えると塑性領域の限界の強度と言い換えることも可能です。
なお、鉄鋼(鋼)などでは強度と靱性の数値が変わってきます。これは「バキっ」といった後に完全に破壊するためには、更なる力が必要となるためです。
一方で、プラスチック等の比較的弱い力でも破損する材料では、強度と靱性の数値は同程度となるのが一般的といえます。
これらが、強度と剛性と靭性の意味と違いです。
まとめ
ここでは、強度と剛性と靭性の定義や違いについて解説しました。
・強度は材料が完全に破断するときの荷重の大きさ
・剛性は変形の起こりにくさ
・靭性は材料の粘り強さ、つまり脆性破壊が起こる時の荷重の大きさ
といえます。
どれも材料力学において重要なパラメータであるので、その意味を正確に理解していきましょう。
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