日常生活を送る中で、よく聞く言葉なのに漢字表記がわからないものに遭遇することは多々あります。
例えば、代表的な野菜・果物の一つである「じゃがいも」の漢字表記やその漢字の由来・語源などはご存知でしょうか?
ここでは、このじゃがいもに着目して「じゃがいもの漢字表記は馬鈴薯・五升薯(五升芋)か?蛇我芋や咬芋とは書くのか?和名・読み方や由来・語源を解説!英語では?」について解説していきます。
じゃがいもの漢字表記は馬鈴薯・五升薯(五升芋)か?蛇我芋や咬芋とは書くのか?和名・読み方や由来・語源を解説!
それでは以下で難読漢字である「じゃがいも(野菜)」の漢字について確認していきます。
結論からいいますと、野菜のじゃがいもの漢字表記は「馬鈴薯・五升薯・五升芋」の3種類あります。
「蛇我芋・咬芋」とは書きません。
じゃがいもの漢字として馬鈴薯と書く
じゃがいもの漢字表記として「馬鈴薯(じゃがいも)」と名付けられている由来・語源について深堀していきましょう。
「馬鈴薯」はそのまま「ばれいしょ」とも読みます。主にじゃがいもの一大産地である北海道でよく使われる呼び名でしたが、現在は全国的に知られていますよね。
「じゃがいも」を指す「馬鈴薯」ですが、この漢字自体は中国から伝来したものとされます。
しかし、中国では「馬鈴薯」とはマメ科の「ホドイモ(アピオス)」のことを指す漢字なんです。
ちなみに、中国語でじゃがいもは「土豆」と書きます。
同じ漢字なのに、なぜ日本と中国で違うもののことを指すのでしょうか?
それは、江戸時代の本草学者(中国などで発達した医薬に関する学問)小野蘭山が「馬鈴薯とはじゃがいもである」と解説したためといわれます。
このことから、日本ではじゃがいものことを指す漢字が「馬鈴薯」として浸透していったのですね。
こちらがホドイモ(アピオス)です↑
確かにじゃがいもっぽい見た目ですね。
「馬鈴薯」という漢字が使われるようになった由来にはいくつかの説があります。
有力な説のひとつに、芋の形が「馬の首につける鈴」に似ている為というものがあります。
動物用の鈴というと牛の首に付ける金属製の鐘鈴(カウベル)がイメージしやすいですね。
馬具としても家畜用の馬につける「馬鈴(馬鐸)」というベルが使われるようです。
じゃがいもの漢字として五升薯・五升芋とも書く
「じゃがいも」ですが、「五升薯(五升芋)」と記載するケースもあります。
五升薯(五升芋)は北海道の遠軽地方で使われ始めた呼び名です。
遠軽地方では古くからじゃがいもなどの寒冷地でも生育できる作物が栽培されていました。
じゃがいもは明治時代頃の開拓期より、稲作が難しいこの地域で「ゴショイモ」と呼ばれ、貴重な食料としてもてはやされていました。
「五升薯(五升芋)」という漢字は「一つの株から五升分の量が採れる」ことが由来とされています。
↑遠軽町役場経済部商工観光課のHPです
じゃがいもの漢字として蛇我芋とは書かない
じゃがいもの表記として蛇我芋が思いつくかもしれませんが、これは実際に使われている感じではありません。
じゃがいもの漢字として咬芋とは書かない
じゃがいもの表記として咬芋が思いつくかもしれません。「咬」はジャカルタの古称ジャカトラ(咬吧)の漢字ですし関連性がありそうですが、こちらも実際に使われている感じではありません。
じゃがいもはジャガタラ芋・ジャガタラ薯だった!?
じゃがいもの呼称としてジャガタラ芋(ジャガタラ薯)という呼び名があります。
じつはじゃがいもの正式な和名は この「ジャガタラ芋(ジャガタラ薯)」なんです。
「じゃがいも」は日本には1598年頃、オランダ商船によってジャカルタから伝わりました。
当時のジャカルタ(加拉巴)は「ジャガタラ(咬吧)」という呼称でした。
このジャカタラ(ジャカルタ)から渡来したイモということで「ジャガタラ芋(ジャガタラ薯)」と呼ばれたようです。
ちなみにジャカルタ(ジャガタラ)は、インドネシアの首都の名ですね。
このジャガタラ芋(ジャガタラ薯)ですが、日本に伝来した当初は、食用ではなく観賞用とされてました。
自分で育てている場合でないと、あまりじゃがいもの花を目にすることはありませんが、白や薄紫色などの綺麗な花が咲くんですよ。
芋・薯・藷・蕷…「イモ」の漢字の違いはなにか?
「イモ」を表す漢字は沢山ありますが、それぞれの違いは理解していますか?
まず「芋」という字。この「芋」という字は全てのイモの総称として使われます。
一番よく目にする漢字もこの「芋」ですよね。
また、これ以外の「イモ」の漢字ですが、実はそれぞれの字が違うイモの種類を意味しているんですよ。
「薯」は馬鈴薯の漢字に使われているように「じゃがいも」の事を表す漢字です。
「藷」は甘藷=「さつまいも」を表す漢字。
「蕷」は山芋(やまいも)、そして「芋」の字も区別して使用する場合は、里芋(さといも)を表します。
じゃがいもの英語表記は?
続いて、じゃがいもの英語表記についても確認していきます。
じゃがいもは英語で「Potato(読み方:ポティト)」といいます。
日本でも「ポテト」は日常的に使う言葉ですね。
ちなみに「フライドポテト」は和製英語だという事はご存知でしょうか?
アメリカでは「フレンチフライ」、イギリスでは「チップス」と呼ばれているんですよ。
まとめ 五升薯(五升芋)・馬鈴薯の読み方や意味はじゃがいもか?蛇我芋や咬芋とは書くのか?語源や英語での表記は?
ここでは、じゃがいもの漢字表記は五升薯(五升芋)・馬鈴薯か?蛇我芋や咬芋とは書くのか?和名・読み方や由来・語源を解説!英語では?ついて解説しました。
野菜・果物の漢字や英語表記を語源・由来レベルから学んでいくと、より面白くなりますね。
じゃがいもを始めとしたさまざまな漢字表記・意味などを理解し、日々の生活をより楽しんでいきましょう。
コメント