私たちの身の回りにはさまざまな科学が潜んでいるといえます。
たとえば、身近な素材である樹脂やゴムに着目した場合であっても「その熱伝導率が高いのか?低いのか?などに着目する」と科学的な捉え方ができるわけです。
それではそもそもこの「熱伝導率が低い」「熱伝導率が高い」とはどのような意味であり燃えやすさとはどのような関係があるのでしょうか。
ここでは「熱伝導率が低いや高いの意味や燃焼性との関係、樹脂やゴムは熱伝導度が低いのか」について解説していきます。
熱伝導率(熱伝導度)が低いとは?高いとは?【高いほどどうなる?】
結論から言いますと、熱伝導率が低いとはその素材において熱の伝わり方が遅いことを意味しています。このとき、熱伝導率とは熱伝導度とも呼ぶことを覚えておくといいです。
つまり、温まりにくく、冷めにくい材料がこの「熱伝導率が低い」を意味しているわけです。以下のようなイメージです。
逆にいうと、熱伝導率が高いとは「熱が伝わりやすい」ことを指しているといえます。
熱伝導率などの普段使い慣れていない言葉では、何を表しているのか意味がわからなくなりがちなため、十分に気をつけるといいです。
熱伝導率が低いと燃えやすいのか?熱伝導率が高いと燃えにくいのか?
それでは熱伝導度が低ければ、より発火しやすいといえるのでしょうか。結論からからいいますと、熱伝導度が低いと燃えやすくなる傾向となります。
これは、先にも述べたよう熱伝導率が低いことは熱が逃げにくいことと関係しており、以下で順を追って確認していきます。
まず、発火が起こる状況とは何かしらの熱源による加熱等が継続していることが多いです。このとき熱伝導率が高ければ、熱が放熱され、物体の温度は下がりやすくなるわけです。
一方で、熱伝導率が低い材料であれば、熱が与えられ続けると、熱が溜まりやすいために温度が上昇しやすく、発火につながりやすいるわけです。そのため燃えやすいといえます。
逆に、熱伝導率が高いほど熱が移動しやすく、燃えにくいと判断できます。
ただ「材質の引火点、発火点の違い」や「熱がどの程度の勢いで加えられているか」も物質の発火に影響するため、熱伝導率だけでの議論はできないですが、傾向として上述の内容があることを理解しておくといいのです。
なお、熱伝導率はギリシャ文字のκ(カッパ)で表されるケースもあります。
樹脂やゴムは熱伝導率が低い素材?
そして、熱伝導率が低い材料として樹脂やゴム(樹脂の一種)などの断熱、遮熱材として使用されるものが挙げられます。
全体的な傾向として、樹脂やゴムの熱伝導度は低く、熱を伝えにくいもののその数値は材質によってもバラバラです。
樹脂のおおよそ熱伝導率の目安としては、0.1-0.4w/(m・k)であり、代表的な材質のポリプロピレンであれば、0.12程度です。熱伝導率が低いゴムもほぼ同程度で0.1-0.4w/m.kとなります。代表的なゴムのepdmでは、0.36w/(m・k)程度です。
熱伝導率の意味や、低い材料の代表の樹脂、ゴムなどについて理解を深めておくといいです。
まとめ
ここでは、熱伝導率が低いの意味や燃焼性との関係、樹脂やゴムは熱伝導度が低いのか」について確認しました。
熱伝導率が低いとは、熱が伝わりにくいことを意味するため「温まりにくく、冷めにくい材料」といえます。
そのため、熱が一度上がると下がりにくいため、燃えやすい材料とも表現できるのです。
そして、熱伝導率が低い材質としては、樹脂やゴムなどがあることを理解しておくといいです。
科学の知識を身につけ、毎日をより楽しんでいきましょう。
コメント
[…] 熱伝導率として表されるκの意味としては、熱伝導(物質内部の熱の移動)のしやすさ(熱の伝わりやすさ)を表しています。熱伝導率は気体、液体、固体は問わず適用される指標です。 […]