日常生活を送る中で、よく聞く言葉なのに漢字表記がわからないものに遭遇することは多々あります。
例えば、代表的な昆虫の一種である「キリギリス」の漢字表記やその漢字の由来・語源などをご存知でしょうか?
ここでは、このキリギリスに注目して「キリギリスの漢字表記は螽斯や螽蟖や螽や蟋蟀や蛩や蛬か?キリギリスとコオロギは同じ漢字だった?読み方や由来・語源を解説!英語では?」等について解説していきます!
キリギリスの漢字表記は螽斯や螽蟖や螽や蟋蟀や蛩や蛬か?キリギリスとコオロギは同じ漢字だった?読み方や由来・語源を解説!
それでは以下で難読漢字である「キリギリス」の漢字について確認していきます。
結論からいいますと、キリギリスの漢字表記を調査したところ「螽斯・螽蟖・螽・蟋蟀・蛩・蛬」の6種類ありました。
キリギリスの漢字は螽斯と書く
ではまず、キリギリスの漢字表記「螽斯」が何故このように名付けられているのか、由来や語源について深堀していきましょう。
「螽斯」という漢字表記は中国から伝わって来ました。キリギリスを表す漢字の中では使用される機会が一番多い漢字でしょう。
キリギリスと読む漢字の多くは「コオロギ」とも読むことができます。そのため「キリギリス」とだけ読ませたいときは「螽斯」と書くのが一般的です。
螽斯の「螽」は「冬」と「虫」からできている漢字ですが、なぜ冬にはいないキリギリスに「冬」が入った漢字が充てられているのか不思議ですね。
実は冬という字に意味はなく、音だけを取った漢字のようです。
冬という漢字は中国では「シュウ」と発音します。キリギリスなどバッタの仲間も「シュウ」に近い発音で呼ばれています。
同じ発音の言葉はいくつかあるので、「虫」と合わせてどの「シュウ」を指す漢字か区別がつくようにしたというのが「螽」の成り立ちのようですね。
斯は「これ、この」を表す漢字です。「切り裂く」といった意味もあるようです。
キリギリスの漢字は螽蟖と書く
次はキリギリスの漢字表記「螽蟖」について、由来や語源について深堀していきます。
「螽蟖」という漢字表記も中国から伝わって来ました。「しゅうし」とも読みます。
先ほど解説した「螽斯」と漢字の意味や成り立ちは同じと考えられます。
「螽」はキリギリスやイナゴなどの仲間を表す漢字でしたね。
蟖は一字だと「けむし」と読みます。キリギリスなのに毛虫?と不思議になりますが、ここでは広義の虫として使っていると考えられます。
キリギリスの漢字は螽と書く
続いてキリギリスの漢字表記「螽」の由来や語源について深堀していきましょう。
上記で「螽」の説明は載せていますので繰り返しになりますが、
冬という漢字は中国で「シュウ」と発音し、キリギリスの類も「シュウ」と発音され、
同じ発音の言葉と区別するために「虫」という文字と組み合わせて「螽」となっています。
キリギリスの漢字は蟋蟀と書く
続いてキリギリスの漢字表記「蟋蟀」の由来や語源について深堀していきましょう。
「蟋蟀」という漢字も中国から伝わってきました。
因みにこの漢字の「蟋蟀」ですが「コオロギ」と読むのが一般的です。ですが昔の文献や季語などでキリギリスとも読む場合もあるので覚えておくといいでしょう。
元々、蟋蟀という字の組み合わせは「虫が翅(ハネ)を擦り合わせる音」から採用された表音文字だと考えられます。
蟋は虫に悉、蟀は虫に率と書きますが、この悉という漢字は中国ではシツと読みます。
読みの音(シツ)から、虫がハネを摩擦させる音を表す漢字として採用されました。
また、蟀という字の率は中国ではシュツと読みます。こちらも虫の鳴き声を表す形声文字で、虫偏に「シツ」や「シュツ」などの翅音を連想させる漢字を合わせて蟋蟀となりました。
キリギリスの漢字は蛩と書く
キリギリスの漢字表記に「蛩」が使われる由来や語源について深堀していきましょう。
「蛩」も蟋蟀と同様に「コオロギ」とも読む漢字です。
昔はキリギリスもコオロギと呼ばれていたところから漢字も混同している例が多く見られますね。
蛩の「巩」部分には「穴をあける、うつろ」といった意味があります。
「体がうつろな虫」という意味合いになるのですが、なぜそういう名前が付いたのか詳しいところは不明です。
おそらくですが、昔の人はキリギリスなど秋の虫は、楽器のように空洞な体中で音を反響させて鳴いていると考えていたのかもしれないですね。
キリギリスの漢字は蛬と書く
続いてキリギリスの漢字表記「蛬」の由来や語源について深堀していきましょう。
蛬の字もキリギリスやコオロギを表す文字です。
語源や名前の由来は定かではなく、明確なことはわかっていません。
ただ蛬という漢字の成り立ちは「蛩」と近いようです。
キリギリスとコオロギは同じ漢字だった?
ここまでにも何度か説明していますが、コオロギは昔、キリギリスと呼ばれていました。
現代人からするとなんだか驚きですね。
何故、コオロギがキリギリスだったのか。その疑問をこちらで解説していきましょう。
コオロギとキリギリス、どちらも秋の虫で美しい翅音を鳴らす所は共通していますが全く別の虫ですよね。
色もコオロギは茶色で、キリギリスは緑色。
ですが、辞書で「キリギリス」を調べると「コオロギの古名」と出てきます。
実は当時「キリギリス」とは特定の昆虫を指す言葉ではなく「秋に鳴く虫」の総称だったようなのです。
いわゆるキリギリス自体は当時「機織(ハタオリ)」と呼ばれていたのだそう。
どうやら「キリギリス」から「コオロギ」という名前の変化は鎌倉時代から室町時代にかけて起きたようだと分かっています。
ただ、なぜキリギリスからコオロギへ、ハタオリからキリギリスへの呼び名の変遷があったのか、詳しい歴史は判明しませんでした。
ただ、漢字で「蟋蟀」「蛬」「蛩」などと書くと「コオロギ」を指しますが、今でも「キリギリス」という読み方が間違いという事はありません。
実際に漢字辞典などで蟋蟀や蛬などを調べると「キリギリス」と「コオロギ」のどちらの読みも出てきます。
ただしこの場合の「キリギリス」はコオロギの事を指しているということになるのでしょうか?…なんだかややこしい事態になっていますね。
同じ漢字なのに、違う虫の読み名を表している特殊な例でした。
コオロギの漢字の詳細はこちらで解説していますので、併せて確認してみてください。
キリギリスの英語表記は?
続いて「キリギリス」の英語表記についても確認していきましょう。
キリギリスは英語で「Grasshopper(読み方:グラスホッパー)」です。
glasshopperと聞くとバッタを想像する人が多いと思いますが、
キリギリスだけでなくバッタやイナゴなどの総称のようです。
まとめ 螽斯や螽蟖や螽や蟋蟀や蛩や蛬の読み方や意味は「キリギリス」か?キリギリスとコオロギは同じ漢字だった?語源や英語での表記は?
ここまで、キリギリスの漢字表記は螽斯や螽蟖や螽や蟋蟀や蛩や蛬か?キリギリスとコオロギは同じ漢字だったのか?和名・読み方や由来・語源を解説!英語では?
について解説してきました。
身近な昆虫の漢字や英語の表記を語源や由来のレベルから学んでいくとより興味深くなりますね。
キリギリスを始めとしたさまざまな漢字表記・意味などを理解し、日々の生活をより楽しんでいきましょう。
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