私たちが生活している身近なところにさまざまな面白い科学現象が潜んでいるといえます。
たとえば、空気と水のあたたまりやすさを考えた時に、空気の方が温まりやすく、冷めやすいということを聞きます。
逆に水では、なかなか暖かくならず、逆に一度温度が上がると温度が低くなりにくいことも、耳にします。この理由は何なのでしょうか。
ここでは、空気と水の温まりやすさ、温まりにくさについて、関連用語の比熱の観点から解説していきます。
空気が暖かくなりやすく、冷たくなりやすい理由は?比熱の小ささ
結論からいいますと、空気が温まりやすく、かつ冷えやすいのは、「比熱が小さいから」といえます。
この比熱とは物質1gの温度を1℃上げるために必要なエネルギー[J]のことであり、簡単に言うと「温まりにくさ、冷めにくさ」を表しているわけです。
なお。比熱の単位をJ/(g・k)で表すと空気の比熱は約1J/(g・k)となるため、1gの空気を1kあげるには1Jのエネルギーが必要になるわけです。
そのため、この数値はのちに解説する水などと比較して、かなり小さいものといえます。
水が温まりにくく、冷めにくい理由
今度は同様に水についても、その「温まりやすさ、温まりにくさ」について考えていきます。
結局のところ物質が水であったとしても、同じように比熱で考えればいいのです。このとき、水は空気よりも比熱の数値が高いために、温まりにくく、かつ冷えやすい物質となるわけです。
具体的には、水の比熱は約4.184J/(g・k)であるため、空気と同じ温度上昇させるためにはおよそ4倍以上のエネルギーをかける必要があるといえます。
空気と水の比熱と温まりやすさの関係を計算してみよう
なお、水と空気の温まりにくさを比較するためにも簡単な計算問題をといてみましょう。
・例題
水100gと空気100gに同じエネルギー2000Hを与えてみました。この時の温度変化からどちらが温まりやすいか求めていきましょう。
水の比熱は4.18J/(g・k)、空気は1J/(g・k)として計算していきましょう。
・解答
まずは水から計算していきます。
すると2000/4.18/100=4.78℃の温度上昇となります。
一方で空気の場合では、2000/1/100=20℃の温度変化となり、空気の方が温まりやすいことが計算でもわかるのです。
まとめ
ここでは、空気と水のあたたまりにくさについて解説しました。
結局は温まりやすやさ、冷えやすさは比熱の大小の問題であり、比熱が大きいほど温まりにくく、冷めにくい物質といえます。
身近な科学を理解し、毎日の生活を楽しんでいきましょう。
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