私達が生活している中で「あまり見かけない単位」に遭遇することがよくあります。
例えば車のエンジンやエアコンなどのスペック表記として「馬力」という単位があるわけですが、1馬力とはどのようなものか理解していますか。
ここでは馬力に関する内容として「1馬力の意味(定義)や読み方は?」「エアコン等での1馬力とkwとの関係(何ワットか)」「馬力とpsやhpの関係や読み方」「馬力とトルク・回転数の変換方法」について解説していきます。
1馬力の意味(定義)や読み方は?【PSとHPの違い(英馬力と仏馬力の違い)】
それではまず車のエンジンやエアコン等のスペック表記として使用される単位の「1馬力」の定義(意味)について確認していきます。
まず馬力とは仕事率(単位時間あたりの仕事量)を表す単位であり、私達が身近に使用する仕事率の単位としては「電力(kw)など」が代表的です(後に変換方法を確認します)。
1馬力の読み方は「いちばりき」です。
ただ1馬力の定義には複数挙げられ、英馬力と仏馬力によってその意味や単位は異なります。
英馬力での1馬力の意味(定義)と単位【HP】
英(つまりイギリス)における1馬力の定義は、
とされています。後につける単位はHP(読み方ホースパワー(horse power))と記載します。後に記載の詳しくはw(ワット)やkw(キロワット)との変換方法にて記載しています。
仏馬力での1馬力の意味(定義)と単位
一方で仏馬力での1馬力とは「75kgの物体を毎秒1メールで動かす力」とされており、定義は異なるのです。
https://kotobank.jp/word/%E9%A6%AC%E5%8A%9B-116883より引用
こちらの仏馬力につける単位はPS(読み方:Pferde Strke)と表記するのです。
ただこれでもパッと見の馬力の意味について理解しにくいために、kw(キロワット)との換算方法を用いて馬力の意味を掘り下げてみましょう。
1馬力は何ワット?1馬力とkwの変換(換算)方法【PSやHPの読み方キロワット】
それでは馴染みぶかい単位のkwやwと馬力の変換方法に着目していきます。
なお上述のように馬力には英馬力と仏馬力があり、1馬力の大きさも違いがあるので各定義ごとにその変換方法を確認していきます。
1馬力(hp)とw(ワット)の変換方法【英馬力】
まずは単位がhpの英馬力としての1馬力とw(ワット)の変換方法を確認していきます。
という換算式が成り立ちます。
1馬力(hp)とkw(キロワット)の変換方法【英馬力】
続いて単位がhpの英馬力としての1馬力とkw(キロワット)の変換方法を確認していきます。
上の計算式と1kw=1000wという換算式を使うと
と計算できるのがわかります。
1馬力(ps)とw(ワット)の変換方法【仏馬力】
今度は単位がpsの仏馬力としての1馬力とw(ワット)の変換方法を確認していきます。
という換算式が成り立ちます。
1馬力(ps)とkw(キロワット)の変換方法【仏馬力】
続いて単位がpsの仏馬力としての1馬力とkw(キロワット)の変換方法を確認していきます。
上の計算式と1kw=1000wという換算式を使うと
と計算できるのがわかります。
おおよその数値は同じですが、単位がhpかpsかによって若干の違いがあると認識しておくといいです。
ちなみに日本ではこちらの単にPSの馬力の方が一般的です。
1馬力とトルク・回転数の変換(換算)方法と違い【車のエンジンやエアコン等】
なお車のエンジン等の性能を示す指標として「馬力」ではなく「トルク」というものもあります。
馬力とトルクは似ているようですが明確に違いがあり、1馬力(ps) = トルク(N・m)×回転数(rpm)÷60 ÷ 1000 ÷ 0.7355 という換算式にて変換することができるのです。
各単位変換を除いて単純な形にするとすれば
とも表記できるといえます。
よく車のエンジン・モーターの性能としてこの「トルクと馬力」について記載されることも多いですが、
ここでのトルクとは、加速力・瞬発力のようなものであり、馬力はそれを維持するための基礎体力のようなものと理解しておくといいです。
馬力とトルクの関係については以下のような動画がわかりやすいのでこちらも参考にしてみてくださいね。
1馬力は馬何頭分なのか?馬1頭分ではないのか?
続いて1馬力が馬何頭分に相当するのかについても確認していきます。
1馬力と聞くとあたかも馬1頭分の力というイメージを持ちますが、上述のよう1馬力(仏馬力)の定義は「75kgの物体を毎秒1メールで動かす力」とされており、結局馬の種類や大きさ、力のかけ方によっても違いがあるわけです。
ただ、普通の馬が普通に動いている時の力がおおよそ1馬力程度となることから、この1馬力という言葉が生まれたともいえます。
よって競馬の馬が全速力で動いているようなケースでは、2馬力、3馬力以上になることもよくあります。
あくまで馬力の定義は上の通りと覚えておきましょう。
1馬力は人間でも出せるのか?人間何人分か?
なお1馬力の定義から人間が1馬力を出せるのかどうかも考えてみましょう。
上の馬力の定義を言い換えますと、75㎏の重りを1秒に1メートル分持ち上げるのが1馬力ともいえるため、なかなか人間1人では1馬力を出すのが難しいともいえます、
この時2人でこの力を出そうとすると、
・倍の時間(2秒)
・半分のメートル数(0.5m)
でもいいことになるので(例えば2人の場合一人あたり37.5㎏の重りを1秒に1メートル分上げればいい)、ある程度現実味が増してきますね、
人間3人で1馬力を出そうとするのであれば、
ことになるのでさらに達成できる確率が増すでしょう。
なお、瞬間的でいいのであれば人間であっても1馬力を出すことは十分に可能ともいえますね。
まとめ 1馬力は馬何頭分で人間何人分か?馬力(psやhp)のkw(キロワット)の変換(換算)方法は?トルク・回転数・馬力の違いや計算方法
ここでは「1馬力の意味(定義)や読み方は?」「エアコン等での1馬力とkwとの関係(何ワットか)」「馬力とpsやhpの関係や読み方」「馬力とトルク・回転数の変換方法」について解説しました。
1馬力には英馬力と仏馬力の2種類があり、前者の単位はhp、後者の単位がpsとなります。日本では仏馬力を使用することが多いです。
また馬力とkw(キロワット)の変換式としては、1馬力(ps) = トルク(N・m)×回転数(rpm)÷60 ÷ 1000 ÷ 0.7355 を使うといいです。
似ている用語のトルクは、トルクと回転数をかけたものが馬力と変換でき、違いがあることを覚えておきましょう。
馬力を始めとした各用語を理解し、日々の生活に役立てていきましょう。
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